四谷バルがすなば珈琲になった、ただ一つの理由

12月の晴れた朝、普段は人っ子一人歩いていない四谷バルの通りに異変が起きる。早朝から一人また一人とカメラをもった報道陣が詰めかけ、報道陣が詰めかけ、ちょっとした人だかりに。

やがて「特ダネ」の生中継が始まった。、黒塗りの車がバルの前で停まった瞬間、報道陣の熱狂はピークに。現れたのは鳥取県知事・平井伸治氏と、時の地方創生担当大臣にして鳥取を代表する大物政治家、石破茂氏であった。


森永製菓 × すなば珈琲「崖っぷちキャンペーン」

森永製菓から2014年に発売された”JACK”をご存知だろうか。ローストしたアーモンドのカリカリした食感と塩をきかせた焦がしキャラメルを組み合わせたナッツ菓子。ほどよい塩味とキャラメルのコク、アーモンドの香ばしさのバランスのよい味わい。しかし蓋を開けてみると全く売れず。2015年1月、再起をかけリニューアル発売。しかし、またもや売れず・・・そして2015年11月、「売れなかったら終売」を条件にJACKは最後のキャンペーンを行うことになる。

それに反応したのが、「鳥取にはスタバはないけど砂場はある」の名言で一躍全国的に有名になった、鳥取県のコーヒー店・すなば珈琲。

折しも鳥取にスターバックスが進出し、全国ニュースで話題をさらった頃。崖っぷちに立たされたすなば珈琲が、同じく崖っぷちのJACKに共感しツイッターで呼びかけたことから今回のコラボが決定した。題して「崖からの大脱出キャンペーン」

東京にコラボショップを実現したい、、しかし70店舗に断られる

森永JACKとすなば珈琲が手を組み、都内に期間限定のショップをオープンする。 そんな夢の前に現実の壁が立ちはだかる。

キャンペーンの関係上、打診から実施までの準備期間はわずか2週間。そして飲食の許可が下りている場所でなければならない。すなば珈琲の妙味を活かすためコーヒーショップや喫茶店をターゲットにオファーした店舗は約70店舗。しかしそのことごとくに断られた。理由はどこも同じ。すなわち、「いつも来てくれているお客さんを裏切りたくないから」

ついに話が四谷バルに回ってくる。崖っぷち同士だからなのか、惹かれるものを感じ、2つ返事で承諾。「森永製菓JACK」×「すなば珈琲」×「四谷バル」のトリプルコラボが産声をあげた瞬間であった。

四谷バル、バズる。

話題のすなば珈琲が東京に進出ということでロケットニュースさん、ねとらぼさんなどのインターネットメディアにこぞって取り上げられると、テレビ各局が取材に殺到。そして、テレビを見たお客さんが四谷に続々と集結。イベント担当者は口々に「バズってる」と安心と慢心の笑みを交わす。鳥取出身の石破大臣が駆けつけたのも話題の沸騰に一役かったのであった。

四谷バルとしても微力ながら広報活動をしようと、地元メディアである市ヶ谷経済新聞の記者にリリースを配信し取材に来ていただいた。


裏切りの四谷バル。常連の反応

バッサリと裏切られた四谷バル常連の動向が懸念されたが、その反応はそんなに悪くはなかった。仕事の休みを利用してくる常連、仕事をさぼって見にくる常連、無職の常連など、みな思い思いに期間限定のすなば珈琲を楽しんでいたのは流石と言うしかない。

四谷バルがすなば珈琲になった、ただ一つの理由。それは、、

それは70店舗にひたすら断られたからである。予算がない、日程がない、その先の情熱しかないイベント担当者の方がいれば是非ご一報を。四谷バルならそのイベントが実現できるかもしれない。スペース詳細についてはこちらから。


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